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17年間封印されていた真相 中国女子陸上界薬物使用が明らかに

2016年02月08日

【新唐人2016年2月8日付ニュース】

 

中国国内メディアは今月3日、90年代、人々を驚かせる世界記録を更新した中国女子陸上チーム・馬軍団の薬物使用疑惑について、17年間、闇に隠されていた真相を明らかにしました。チームを率いる馬俊仁(ば しゅんにん)コーチは長期にわたり、選手たちに薬物使用を強要したと報じました。

 

30歳以上の中国人で馬軍団を知らない人はいません。1993年だけで選手たちは66もの国内記録、アジア記録及び世界記録を破る実績を上げたのです。

 

1998年出版された本『馬軍団についての調査』では、薬物使用を暴く内容が当局の圧力によって最終的に削除されていましたが、ついにその核心部分、即ち、薬物が馬軍団を潰す内容がやっと明白にされました。

 

選手たちは馬コーチに薬物を大量摂取させられ、自ら選手に注射をし、試合の時、尿検査のタイミングを見計らって、時間を精密に測り、注射を行ったと複数の中心選手が明かしました。

 

元北京体育学院出身で民主活動家 方政氏

「これは国を挙げての体制で、ゴールドメダル主義の結果です。当時はこういう言い方がありました。薬物使用が発覚されれば、それは法律違反。薬物をうまい具合に使えば、それを『科学訓練』と言いました」

 

薬物の強い副作用は選手たちに、女性の生理的変化や肝臓の激痛をもたらしました。しかし、選手たちの反対も「国家名誉のため」を理由に遮られました。

 

元北京体育学院出身で民主活動家 方政氏

「西側諸国の場合、選手の薬物使用が晒されたら、それは選手本人の意思選択で、選手自身の責任ですが、中国の場合、選手には自由意思による選択権はなく、彼女たちは強制的に薬物服用をさせられたので、全く異なる性質になります。まさに組織的犯罪であり、多くの選手が犠牲になったのです」

 

1995年、我慢の限界に達した10名の選手が連名で作家・趙瑜(ちょう ゆ)に宛てた手紙では、「私たちはまだ子どもです。機械ではないし、家畜でもありません」と綴り、さらにコーチには後ろ盾がおり報復されることを恐れていると訴え、内情を暴くように依頼しました。

 

予想通り、趙瑜が『馬軍団についての調査』を書き上げた途端、馬コーチは当時大連市長である薄熙来(はく きらい)の妻・谷開来(こく かいらい)を後ろ盾に訴訟を起こし、谷開来は彼のために本まで出版し絶大な支持を示しました。

 

2000年、馬軍団の6名の選手はドーピングが発覚し、シドニー五輪への参加を禁止されました。当時、遼寧省、省長を務めていた薄熙来はなお馬コーチを支持し、趙瑜に圧力をかけ、同書の最も重要な内容を17年間も封印しました。薄熙来夫妻が逮捕された後、この部分の真相がようやく明かされました。

 

元北京体育学院出身で民主活動家 方政氏

「中国のスポーツ競技はある意味では政治需要であり、この前提の下でどんな事でも有りうる。中国のスポーツは最も政治化され、スポーツ精神に反している」

 

中国中央テレビ局 1994年春節聯歓晩会 

「馬軍団が興奮剤を打ったのではなくて、馬軍団が12億の中国人と世界中の華人に興奮剤を打ったのです」

 

大陸メディアは「国家の栄誉の下での驚愕詐欺」というタイトルで報道した記事のトップで、馬コーチは江沢民と面会したことを強調しました。

 

中国スポーツ界で闇に隠されていたこの事件を鑑み、中国共産党に「国家の栄誉」の下に隠された不祥事と犯罪がどれ程あるのか、より多くの人が関心を寄せることが必要です。

 

新唐人テレビがお伝えしました。 

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/02/04/a1250812.html (中国語)     

(翻訳/王大同 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

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